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新譜紹介

『レコード芸術』2023年07月号 新譜月評 優秀録音/ロマンス~ロベルト&クララ・シューマン、ファニー&フェリックス・メンデルスゾーン作品集

ロマンス~ロベルト&クララ・シューマン、ファニー&フェリックス・メンデルスゾーン作品集

エマニュエル・パユによる、シューマン夫妻、メンデルスゾーン姉弟による魅力的な曲で構成された作品集

ベルリン・フィル首席であり、名実ともに現代フルート界のトップに君臨するエマニュエル・パユが、新しいソロ・アルバムに選んだ作品は、シューマン夫妻、メンデルスゾーン姉弟による、1840年から1860年の間に書かれた作品をフルートで演奏したもの。その当時フルートは人気にもかかわらず、フルート用に書かれた室内楽はあまりありませんでした。このアルバムには、ロベルト・シューマンの「3つのロマンス Op. 94」は、もともとはオーボエのために書かれたもので、1950年にジャン=ピエール・ランパルによって編曲され、その後、フルート奏者にとって重要なレパートリーのひとつになりました。こうした歌曲や他の楽器のための作品を、パユの甘美で印象的な音色には、ロマティックさとともに弱音から奏でられる淡い独自の絶品な表現力があります。「私はモザイク画を大きくするよりも、緻密さを追求したい」と語っているとおり、パユが描いた音楽そのものがこのアルバムに散りばめられています。

ワーナーミュージック・ジャパン取り扱い輸入盤のみ、日本語解説書・帯付き
日本語解説書には、ランパル協会会長のドゥニ・ヴェルーストによる作品解説の日本語訳、木幡一誠氏による書き下ろし解説を掲載(ワーナーミュージック・ジャパン)

『レコード芸術』2023年07月号 新譜月評 優秀録音/バツェヴィチ: 協奏曲集

バツェヴィチ: 協奏曲集

再評価著しいバツェヴィチの協奏的作品を集めた貴重なアルバム。ニコラス・コロン指揮フィンランド放送響、ピアノにペーテル・ヤブロンスキーと、演奏家にも注目!

演奏家として、作曲家として、20世紀ポーランド楽壇を席巻したグラジナ・バツェヴィチ。彼女自身が極めて優れたヴァイオリニストであったことからヴァイオリン奏者は早くから彼女の作品に注目して来ましたが、近年はクリスティアン・ツィメルマンらが演奏するようになってピアノ作品も広く注目されています。当CDはポーランドの独立回復100周年(2018年)を記念する国際文化プログラムの一環として、アダム・ミツキエヴィチ協会と共同で制作されたもので、バツェヴィチの協奏的作品を3曲収録。いずれも録音が極めて少ないものばかりで貴重です。
バツェヴィチは次のような言葉を残しています。「私は[ポーランドの同世代の作曲家からは]孤立しています。なぜなら私は作品における形式を重視しているからです。もし物を乱雑に置いたり、物が積み重なっているところに石を投げたりすれば、崩れるに決まっています。同様に、音楽においても構造的な法則が必要で、自立できるようにしなければならないのです。もちろんその法則は古いものである必要は決してありません」
その言葉通り、2曲の協奏曲と「弦楽、トランペットと打楽器のための音楽」はいずれも伝統的な急-緩-急の3楽章形式をとっていますが、その語法は桁外れの情熱家だったと伝えられるバツェヴィチらしく、両端楽章はエネルギッシュでヴィルトゥオーゾ的、中間楽章は沈思や深い祈りや畏怖の念を感じさせて、コントラストが鮮やかです。技術的要求は高度ですが、当盤ではソリストもオーケストラも万全の対応を見せています。冒頭に序曲を置いて一晩のコンサートのように仕上げています。
※国内仕様盤には原盤解説の日本語訳が付属します。(ナクソス・ジャパン)

『レコード芸術』2023年07月号 新譜月評 優秀録音/マーラー: 交響曲第9番

マーラー: 交響曲第9番(SACDハイブリッド)
細部に至るまで耽美的な演奏!
ヴァンスカ&ミネソタ管によるマーラーの傑作交響曲第9番!SACDハイブリッド盤。好評を博しているオスモ・ヴァンスカ率いるミネソタ管弦楽団によるマーラー・シリーズ。当アルバムは交響曲第9番を収録!
当演奏でもヴァンスカならではの緻密な構成と、細部にまで注意が払われた圧巻の仕上がり。繊細かつ丁寧な音楽づくりが魅力です。
また録音にも注目。オーケストラ全体の響きを自然にとらえ、演奏の一体感を堪能することのできる録音です。

アルバン・ベルクが「マーラーが書いた中で最も輝かし作品」と激賞した交響曲第9番。
形式、主題、調性あらゆる面で広大で感情的な第1楽章、喜びと遊び心に満ちた第2楽章、辛辣な皮肉と怒りを表した第3楽章、そして神秘的なアダージョで締めくくる第4楽章で構成されたマーラー最大の傑作です。

BISレーベルで数多くの録音を残してきたヴァンスカが最上級の演奏に達したマーラーの交響曲シリーズ。これまでに第1 番「巨人」(KKC 6034 /BIS SA 2346)、第2番「復活」(KKC 5995 / BIS SA 2296)、第4 番(KKC 6131 / BIS SA 2356)、第5番(KKC 5831 / BIS SA 2226)、第6番(KKC 5994 / BIS SA 2266)、第7 番(KKC 6184 / BIS SA 2386)、第10 番(KKC 6321 / BIS SA 2396) がリリースされております。

2003年にミネソタ管弦楽団の音楽監督に就任したヴァンスカは、ベートーヴェンの交響曲全集などで評価を高めました。しかし、当団では経営悪化に伴う労使対立が激しさを増し、2012年10月に経営側はロックアウトを決行。
その後の2012/13年のシーズンは全てキャンセルとなり、当団の存続そのものも危ぶまれる状況となりました。ヴァンスカは、労使の合意が成立した2014年1月に首席指揮者に復帰し、以後、団結力の増したミネソタ管の演奏は一層密度の濃いものとなっております。(キングインターナショナル)

ワルツ・フォー・デビイ [SACD[SHM仕様]シングルレイヤー]

ワルツ・フォー・デビイ [SACD[SHM仕様]シングルレイヤー]<限定盤>
2016年にRIAJゴールド・ディスクにも認定され、世代を超え愛され続けている日本で最も売れているジャズの名盤『ワルツ・フォー・デビイ』が、10年ぶりにオリジナル・テープからオール・アナログ・マスタリングが施されたことを受け、同日録音の『サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』、さらに後期の名盤『ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング』の3タイトルを最新リマスタリング音源でSA-CD~SHMにてリリース。
ジャズ界で最も人気の高いピアニストの一人、ビル・エヴァンスが兄の愛娘デビイに捧げた可憐なタイトル曲はじめ知的な美しさあふれる永遠のピアノ・トリオ名盤。本ライヴの11日後に亡くなった天才ベーシスト、スコット・ラファロと後にキース・ジャレットと共演するドラム奏者ポール・モチアンとの至高のトリオの頂点を刻んだ、ニューヨークでのクラブ・ギグ。
●米国オリジナル・アナログ・マスターを基にした2023年リマスタリング音源192khz/24bitを採用。
●同作品をハイレゾCD(MQA-CD×UHQCD)も同時リリース。
●オリジナルLPのライナーノーツの日本語訳を収録。(発売・販売元 提供資料)

SA-CDで聴くドイツ・グラモフォン名録音集 [SACD[SHM仕様]]

SA-CDで聴くドイツ・グラモフォン名録音集 [SACD[SHM仕様]]<初回生産限定盤>
Various Artists

ドイツ・グラモフォン125周年記念~アナログ期の名録音を集約したSA-CDコンピ・アルバム

今作『SA-CDで聴くドイツ・グラモフォン名録音集』は、これまでにドイツ・グラモフォンのアナログ期の録音を日本独自企画としてシングルレイヤーのSA-CDとして制作されたタイトルの中から、厳選された22曲を収録したシングルレイヤーSA-CD2枚組のコンピレーション・アルバムです。DISC1には交響曲・管弦楽曲、DISC2には協奏曲・室内楽曲・器楽曲・声楽曲と幅広いクラシック音楽のジャンルの楽曲を収録。SA-CD1枚分のお値段での発売です。(ユニバーサル・ミュージック)

Hotel California/LPレコード

1976年の大ヒット作がMOBILE FIDELITYから限定ナンバリング入りULTRADISC ONE-STEP仕様45回転2LPボックス・セットで登場!!

ウェストコースト・ロックの落日を歌った表題曲があまりにも有名な大ヒット作。累計1億5000万枚を売り上げたというモンスター・アルバムです。ビルボードのアルバム・チャートで8週連続1位、2つのグラミー賞を受賞。プロデューサーはビル・シムジクが務め、それまでのカントリー・ロック風味は希薄となり、よりハードでエッジの効いたサウンドを実現させています。J.D.サウザーが書いた”New Kid in Town”も全米ナンバー1のヒットとなります。

MOBILE FIDELITYが贈る新たな規格、ULTRADISC ONE-STEP (UD1S)シリーズの一枚。まるで3D体験のような新たな高みに到達したというUD1Sシリーズは、これまでのスリー・ステップ・プロセスから大きく進化、生産過程でよりノイズを抑え、より音の詳細を再現、大幅にダイナミクスを向上させることに成功したワン・ステップ・ラッカー・プロセスを採用。高音質盤ファンから圧倒的な信頼を得るMOBILE FIDELITYが「ウルトラ・ハイ・ファイ・エディション」と宣言する新たな次元の聴取体験をぜひお手元に。

豪華ボックスに封入されたデラックス・パッケージ。ナンバリング入り15,000セット限定盤(発売・販売元 提供資料)

日本独自企画・限定盤!ロト&レ・シエクルの“運命”、“英雄”、“海”がSACDシングルレイヤーで登場!

日本独自企画・限定盤
ロト&レ・シエクルの3タイトルがSACDシングルレイヤーで登場!

ハルモニアムンディSACDシリーズ、ロト&レ・シエクルの3タイトル、(1)ベートーヴェン:交響曲第5番《運命》、ゴセック:17 声の交響曲、(2)ベートーヴェン:交響曲第3番《英雄》、メユール:歌劇《アマゾネス、あるいはテーベの創生》序曲、(3)ドビュッシー:管弦楽組曲第1番、交響詩《海》。ハルモニア・ムンディ・フランス・レーベルからハイレゾ音源の提供を受けて、SACDリマスタリングを施した、日本独自企画のリリースです。(タワーレコード)

 

TOWER RECORDS ONLINE

Fostex FE108-Sol 再発売

バックロードホーン専用 フルレンジ・スピーカー・ユニットFE108-Sol数量限定にて再発売。

先日、試聴室でFE108-Solのスパースワンを試聴。FE108SS-HPとは音の傾向がかなり違います。

付け替えて楽しむのも面白いと思います。

今試聴しているのが、FE108-Sol+BK108sol+T96A-SA。

意外と低域の量感があり、T96A-SAを載せることによって輪郭がくっきりし、低域の締まりが増えました。

 

stereo誌 2023年07月号 今月の変態ソフト選手権!今月の一番!/佼成ウインドLIVE~2023年度 全日本吹奏楽コンクール課題曲~

佼成ウインドLIVE~2023年度 全日本吹奏楽コンクール課題曲~

今年の吹奏楽課題曲をライヴ収録!

2023年度 全日本吹奏楽コンクール課題曲の4曲を、日本が誇る東京佼成ウインドオーケストラが熱演!
プロの吹奏楽団によって表現された楽曲たちは、正指揮者・大井剛史のタクトによって各楽器が豊かな響きを持ってアンサンブルを行い、駆けつけた多くの聴衆を魅了している。
今後、吹奏楽界のレパートリーとなっていくであろう4曲をお楽しみください。(発売・販売元 提供資料)

stereo誌 2023年07月号 今月の変態ソフト選手権!/フランスバロック・ソナタの展翅(てんし)

フランスバロック・ソナタの展翅(てんし)

フランス趣味からイタリア趣味へ至るグラデーション

リコーダー奏者本村睦幸の最新盤は、フランスバロック・ソナタの展翅(てんし)と題した1枚。展翅(てんし)とは、標本などにするため、昆虫などの羽をひろげること。フランス趣味・イタリア趣味の「ソナタ」に、性格的小品もまじえて、美しい1枚の絵のようにプログラムされています。

フィリドールのソナタは、「リコーダー」を楽器指定しているフランスの楽曲。シェドヴィルの作品は、ヴィヴァルディの作品13と偽って出版されたもので、当時のフランスでヴィヴァルディの作品と思われていた曲を元にアレンジした楽章と、シェドヴィル自身による楽章を交えた構成。材料はイタリアですが、フランスのロココ趣味が色濃く反映されたユニークな作品です。マレの作品はもともとはヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのための作品ですが、ヴァイオリンのパートはトラヴェルソでもほぼ演奏可能、そしてここではトラヴェルソと同じ音域のリコーダーを用いて演奏しています。イタリアに生まれフランスに帰化したカナヴァスの作品、さらにクープランの描写的小品をはさんで、最後はオトテールのソナタでディスクが締めくくられます。1枚全体が美しい絵画かタペストリーのよう。どの曲も心地よい素朴さ、典雅な風合いに満ちており、親密なアンサンブルにも非常に好感がもてます。
(キングインターナショナル)

stereo誌 2023年07月号 今月の変態ソフト選手権!/クチュール

クチュール
Various Artists

商業的な側面もそのままにノスタルジックな80年代サウンドを現代に移し替えた個性的作品

1979年生まれのリリエンシュテルンは、CM音声や80年代ポップスなど、自分が繰り返しよくきいた音をサンプラー素材として作品を作っています。
それらはいわば高度に商業化された音であり、コラージュ素材として意味ありげな素材に見えますが、なにか別の意味を含ませるとか、主観的な良し悪しをほのめかす、といった感じはまったくなく、気持ち良いくらいにあからさまに引用しています。それによって獲得された独特な雰囲気は実に個性的。

シンセサイザーとオーケストラという編成で書かれた『クチュール Couture』は南西ドイツ放送交響楽団の委嘱作品。機械音と生音、新しさと伝統が対比されるイメージ…かと思いきや、およそまるで違う音楽が展開されます。
使われるシンセサイザーはどれも80年代のもので、名器とされながらもすでに時代遅れとみなされている楽器であり、オーケストラもまた、同じ存在感をもつ「音源」という扱い。
曲調としては80年代シンセ音楽が基礎にあり、その中で両者の音は溶け合うように織り込まれ、どこまでシンセか、どこからオケか、判然としないサウンドでたゆたいます。
これがスコアに実際に書かれ、伝統によって高められた交響楽団が演奏しているというのも不思議な感覚にさせられます。

『頂上 Top』はゲートリバーブのかかったスネアに始まります。80年代のヒット曲が使われ、終盤にヴァン・ヘイレンの「ジャンプ」が登場。(キングインターナショナル)

stereo誌 2023年07月号 今月の変態ソフト選手権!/MI / KAΦE

MI / KAΦE

規格品番:MSC-9021

女性パーカッション・デュオ“MI”の20周年記念アルバム。65種類の楽器を駆使して、不思議なカフェを舞台に描いた物語仕立て。

ヴィブラフォン、マリンバ、ピアノ、打楽器類から、食器やおもちゃとなど、叩いて鳴るものはすべて楽器とした楽しい作品だ。

スーパースワン+FE108-Sol+T96A-SA

先日、試聴室でOntomo Mook「オーディオ超絶音源探検隊」第1回〜第50回歴代第1位

平野一郎「四季の四部作」 春 夏 秋 冬のflac 192kHz/24bitとDSF 5.6MHz/1bitを試聴しました。

平野一郎「四季の四部作」 春 夏 秋 冬 – ハイレゾ音源配信サイト【e-onkyo music】

使用機材:スーパースワン+FE108-Sol+T96A-SA アキュフェーズ:DP-1000、DC-1000 、C-3900 、M-6200。

flac 192kHz/24bitとDSF 5.6MHz/1bitの違いは、予想以上に出ましたが両方とも床を叩く時の空気感

声を張り上げた時のダイナミックレンジの広さは圧巻。

ネットワークの入ったスピーカーでは、このダイナミックレンジは無理。

M-6200のメーターが0を一瞬超えてしまった。

炭山氏と私は笑ってましたが、編集者は唖然としてました。

違反行為としてスーパーツィーター(T500A MKⅢ)を載せたかったが間に合いませんでした。

改めて感じたことはスーパースワンは、普通のオーディオファンに薦められないこと。

ソフトの違いを出し過ぎます。

私は、薦めません。

 

 

プリーズ・リクエスト(SACD)

プリーズ・リクエスト [SACD[SHM仕様]]<生産限定盤>

Verve Acoustic Sounds SACDシリーズ第2弾

2020年にスタートした、ヴァ―ヴ・レーベル・グループ所有の名盤を最高の音質でアナログ復刻する一大プロジェクト、Verve Acoustic Sounds (ヴァ―ヴ・アコースティック・サウンズ)シリーズ。そのマスターを最新DSD化したこのVerve Acoustic Sounds SACDシリーズでは、レーベルが威信をかけて取り組む究極のサウンドをSACDで存分に堪能出来る。
本作は、「何かリクエストは?」のタイトル通り、スタンダードやボサ・ノヴァ曲をコンパクトに演奏したオスカー・ピーターソンの人気盤。短い中にもピーターソンの技術と粋が凝縮。粒のそろった美しいタッチと端正なフレージングで綴られる音楽は、まさに珠玉。 パワフルで軽やかでスピーディな演奏は聴いていると心が弾んでくる。ジャズ入門としても、おススメの一枚。 *米Verve Label Group制作2023年DSDマスターを使用(発売・販売元 提供資料)

Living Stereo 60CD Collection

Living Stereo 60CD Collection<初回生産限定盤>
Various Artists

50年前の録音が今でもなぜこんなにも新鮮に響くのか?究極のDSDリマスタリングによって、時代を超えて生き続けるステレオ黄金期の名盤54タイトルを紙ジャケBOX化した究極のCDコレクション。初回生産限定盤。

▼リビング・ステレオ=音が躍動する、生き生きとした生演奏のようなステレオ!
ステレオ録音が実用化した1950年代半ばから60年代初頭にかけての時期は、各レコード会社がこの新しく画期的な技術を用いて数多くのレコードを矢継ぎばやに生み出したが、RCAは、ステレオ録音の開発と発展にもっとも積極的に関わり、成果をあげたレコード会社である。1953年10月にステレオ録音(「バイノーラル録音」)の実験を開始したRCAは、いくつかのセッションでの試行錯誤を経て、1954年3月、ライナー=シカゴ響のセッションでの実用化にこぎけたのである当時一般家庭での再生システムはまだモノラルであったが、ステレオ技術にレコードの将来性を感じたRCAは積極的に2チャンネルおよび3チャンネル録音を推進した。1955年にはステレオ・テープデッキの市販が始まり、その3年後の1958年にはついにステレオLPの技術が開発され、RCAはついに「リビング・ステレオ」LPを発売、「ハイファイ・ステレオ」の黄金時代の幕開けを告げた。「リビング・ステレオ」とは、ちょうどこの時期にRCAが発売したステレオ・レコードに付けられていたロゴで、いわば「生き生きとした、生演奏のようなステレオ」という意味であり、左右のスピーカー・コーンの間にLIVING STEREOの文字が踊るデザインは、優秀録音の代名詞でもあった。試行錯誤を経て考え抜かれたマイク・セッティングにより、3チャンネルもしくは2チャンネルで収録されたサウンドは、半世紀近く経た現在のスタンダードにおいても、バランス、透明感、空間性など、あらゆる点で超優秀録音として高く評価されている。

Waltz For Debby(LPレコード)

Waltz For Debby<限定盤>(LPレコード)

ジャズ史上最も影響力のあるグループのひとつであり、ピアノ・トリオの概念を再定義したユニットの4作目にして最後のアルバムで日本で最も長く愛されているジャズの名盤。

ベーシスト、スコット・ラファロの命を奪った高速道路事故の数日前に録音されたこのアルバムは、ビル・エヴァンス・トリオが今後数十年のジャズの可能性を示す前触れとして、創造的な交流のレベルを要約したもの。(関連アルバム『サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』と同日録音)。

エヴァンス、ラファロ、ポール・モチアンの3人は、これらの演奏で驚くほど自由に演奏し、鋭いバランスと美の感覚を常に保っている。テンポとムードの流れは、トリオのコンセプトの深さを強調し、50年以上経った今でもトリオの経験が損なわれることのない魔法をかけている。このアルバムは、革新的なラファロのソロ作品と作曲に重点を置いているのが特徴である。

〈パーソネル〉Bill Evans (p) Scott Lafaro(b) Paul Motian(ds) 1961年6月25日、ニューヨーク、ヴィレッジ・ヴァンガードにてライヴ録音。(発売・販売元 提供資料)

レイ・ブラウン・トリオ

故長岡鉄男氏の方舟再訪で炭山氏が試聴したソフトは「レイ・ブラウン・トリオ/ジョージア・オン・マイ・マインド」

品番:LFA-1063(廃盤)

FM fan ダイナミック・ソフトで紹介。

ライヴ・イン・トーキョーとして今年3月に2枚組で再発売。

【TOWER RECORDS ONLINE】

レコーディング・エンジニアは及川公生氏。

ちなみに、後ろに見えるのがTELARC/Copland – The Music of America / Kunzel, Cincinnati Pops

 

サン=サーンス:交響曲第3番「オルガンつき」、ピアノ協奏曲第4番(SACDシングルレイヤー)

サン=サーンス:交響曲第3番「オルガンつき」、ピアノ協奏曲第4番<限定盤>(SACDシングルレイヤー)
オルガンとオーケストラの響きが融合!
ロト&レ・シエクルの名曲「オルガン付き」ロトとレ・シエクルによるサン=サーンスの「オルガン付き」がSACDシングルレイヤーで登場します!ハルモニア・ムンディ・フランス・レーベルからハイレゾ音源の提供を受けて、SACDリマスタリングを施した、日本独自企画のリリース。限定生産となります。サン=サーンスの交響曲第3番は名作の誉れ高いものですが、物々しく演奏されるのが常でした。しかし作曲者サン=サーンス本来の資質は軽妙洒脱、威圧感や重苦しさとは無縁のはず。フランソワ=グザヴィエ・ロトが古楽器オーケストラ「レ・シエクル」を指揮した本盤は、物々しさや重苦しさは姿を消し、これぞサン=サーンスが思い描いた響き、とまさに目から鱗が落ちる思いがします。オルガンを受け持つのはフランソワ=グザヴィエの実父で有名なオルガニスト、ダニエル・ロト。パリのサン=シュルピス教会の名器が素晴らしい響きを聴かせてくれます。このたびのSACD化により、よりなめらかに自然にオルガンとオーケストラの響きが融合しているさまをお楽しみいただけます。カップリングはこれもシリアスな曲調で名高いピアノ協奏曲第4番。ジャン=フランソワ・エッセールが1874年製のエラールのフォルテピアノでいとも見事に披露。まるで古典派協奏曲のようなたたずまいとなっています。(キングインターナショナル)

マーラー:《巨人》~交響曲形式による音詩(交響曲第1番の1893年ハンブルク稿、2部から成る)(SACDシングルレイヤー)

マーラー:《巨人》~交響曲形式による音詩(交響曲第1番の1893年ハンブルク稿、2部から成る)<限定盤>(SACDシングルレイヤー)
ロトとレ・シエクルがマーラーの「巨人」を
ついにピリオド楽器で再現!
それも「花の章」付き!!ロトとレ・シエクルによるマーラーの《巨人》がSACDシングルレイヤーで登場します!ハルモニア・ムンディ・フランス・レーベルからハイレゾ音源の提供を受けて、SACDリマスタリングを施した、日本独自企画のリリース。限定生産となります。

マーラーは1889年11月20日に初のオーケストラ作品である交響詩をブダペストで初演しました。その後1893年にハンブルグの宮廷指揮者に任命された際、その作品を改訂し、”《巨人》交響曲形式による音詩”と名付けました。徹底的にオーケストレーションを直し、あまりにベートーヴェン的だった序奏部を独創的な高周波のような弦のトレモロにし、木管を倍増、コールアングレやバスクラリネットなども加え、可能な限り自然の音をイメージさせるスコアにしました。第2楽章に「ブルーミネ」(花の章)を含むこの第2版は、同年10月27日にハンブルクで初演されました。今回のロトとレ・シエクルの演奏はこの第2版によります。ロトの演奏は、「花の章」の甘美な音楽が、続く荒廃の世界を強調する働きを持つことを際立たせています。SACD化により、初演当時の風合い豊かなサウンドが、なんともまろやかに響きます。(キングインターナショナル)

モーリス・ラヴェル:バレエ《ダフニスとクロエ》全曲 (SACDシングルレイヤー)

モーリス・ラヴェル:バレエ《ダフニスとクロエ》全曲<限定盤>(SACDシングルレイヤー)
ラヴェルの神業ぶりが初めて完全発揮された
「ダフニスとクロエ」
ロトの魅力最大限発揮!!ロトとレ・シエクルによる《ダフニスとクロエ》がSACDシングルレイヤーで登場します!ハルモニア・ムンディ・フランス・レーベルからハイレゾ音源の提供を受けて、SACDリマスタリングを施した、日本独自企画のリリース。限定生産となります。

《ダフニスとクロエ》は、ラヴェル自身が「舞踏交響曲」と称したように、オーケストラの性能を発揮できる好個の楽曲として人気コンサート曲となっています。もともと近代管弦楽法の極限を追求するような精巧さで極彩色のオーケストラ・サウンドを満喫できる作品ですが、初演当時の音色で聴くと、ますますその鮮やかさが際立つようです。さらに合唱の演奏に際し、ラヴェルが詳細に指示した通り、舞台の両袖を活用して遠くから近づいてくる効果をはじめて録音で発揮させているのも注目。ラヴェルがオーディオ的発想をこの時代に持っていたことを証明してくれます。(キングインターナショナル)