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stereo誌 2023.01月号 ステレオディスクコレクション 今月の優秀録音/ファン・エイク: 「笛の楽園」より

stereo誌 2023.01月号 ステレオディスクコレクション 今月の優秀録音/ファン・エイク: 「笛の楽園」より

最新録音!
充実の濱田芳通による「笛の楽園」

第53回(2021年度)サントリー音楽賞を受賞した濱田芳通。今や円熟期を迎えた古楽器集団アントネッロのリーダーにして世界最高のリコーダー、コルネット奏者である彼が、「リコーダーの旧約聖書」といわれるファン・エイクの「笛の楽園」を最新録音。
ヤコブ・ファン・エイク(1590頃-1657)はオランダの作曲家。1646-54年に刊行された「笛の楽園」は約150曲から成り、リコーダー音楽のなかでも特に重要な作品のひとつ。大半が無伴奏で、多くは当時の流行歌や民謡、舞曲に基づき、エンターテイメント性も兼ね備えた曲集でした。リコーダーを学ぶ人のみならず観賞曲としても魅力的なメロディや巧みな描写を楽しめます。
リサイタルやディスクで数曲が彩を添える材料のように奏されることが多いものの、近年は全曲演奏・録音に挑む名手が現れています。そのなか濱田芳通が満を持して録音を開始。リコーダーという単声の楽器ながら、濱田ならではの活気と新鮮さで神業のように自在な世界を繰り広げます。これまでも聴衆を釘付けにしてきましたものがディスクで登場。
濱田の超絶的テクニックと表現力によればどの曲も引き込まれますが、楽譜を仔細に研究のうえリコーダーも数種使い分け、コルネットも用いています。また曲よってはリュートの伴奏を付け、典雅な音世界を作り上げます。
ルネサンス音楽は学問の世界のような印象を持たれがちですが、濱田の音楽は当時の人々の楽しみが活き活きと蘇るようなエネルギーとオーラに満ち、目から鱗が落ちます。
(キングインターナショナル)

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