MYUtakasaki

kk
4台のアコーディオン版「幻想交響曲」/2022年10月下旬

4台のアコーディオン版「幻想交響曲」/2022年10月下旬

4台のアコーディオン版「幻想交響曲」

超オススメ! 幻想交響曲のイメージを一新させる驚愕の演奏登場!!

有名曲を他楽器で演奏する編曲は、人々の好奇心をくすぐるせいか根強い人気があります。ベルリオーズの幻想交響曲といえばリストによるピアノ独奏用編曲が有名ですが、どうしてもオーケストラのインパクトが強すぎる作品ゆえ、他の形態をほとんどイメージできなくなっているといえます。
その高峰・幻想交響曲を4台のアコーディオンで奏してしまおうという試みが当アルバム。もちろん完全版で演奏時間約51分。演奏者のひとりティボー・トロセによる編曲で、楽器の性能と効果を熟知しているだけに予想を超える素晴らしさとなっています。

第1楽章冒頭から違和感なし。オルガンのようなシンセサイザーのような不思議な音世界に引き込まれます。ベルリオーズのメロディは音を長く伸ばすものが多く見られますが、声や管楽器と同じく空気の力で音を出すアコーディオンは、ピアノよりも原曲のイメージを損なうことなく再現しています。
第2楽章のハープや第3楽章の遠雷、終楽章の鐘などアコーディオンのイメージから遠い楽器も独特のアイディアで説得力満点。第4楽章「断頭台への行進」の物凄い迫力も聴きものです。第2楽章のワルツはフランスのアコーディオン、ミュゼットを彷彿させさえしてオシャレ。
幻想交響曲は1830年に作曲され、3年後に改訂されました。アコーディオンの起源は諸説ありますが、1820年代といわれています。いわば同時代のものながら200年後にようやく共演を果たしたと申せましょう。

エオリーナ四重奏団はパリ音楽院卒業生により結成されたアコーディオン四重奏団。現代作品のほか、ムソルグスキーの「展覧会の絵」、チャイコフスキーの「悲愴」、マーラーの4番など予想もしない作品をこの形態に移しています。要注目の団体です!(キングインターナショナル)

« »