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stereo誌 2022.12月号 ステレオディスクコレクション 今月の特選盤/パルファン

stereo誌 2022.12月号 ステレオディスクコレクション 今月の特選盤/パルファン

パルファン
香るエスプリ、彩るスパイス、詩情を纏った心地よさ―実力派ピアニスト深貝理紗子、待望のメジャーデビュー!
サティ、ドビュッシー、ラヴェル、日本初録音のダンディまで、魅惑の音色に陶酔する、必聴の一枚!透き通るような音色と知性、独創的な感性を持ったピアニスト深貝理紗子が待望のCDデビューを飾る。パリで研鑽を積んだ彼女は幅広いレパートリーを携えているが、なかでもフランス近現代音楽でその研ぎ澄まされたエスプリを発揮する。詩情溢れるプログラムから彼女の真摯な演奏スタイルを通し、フランス音楽特有の色と香りに包まれることだろう。
隠れた名匠ヴァンサン・ダンディの『山の詩』は日本初録音である。自然の美を称え、作品の最後には妻への愛が描かれる。深貝は風通しの良い立体的な響きのなかに、軽やかな遊び心と人間らしい激情を織り交ぜていく。美しい旋律は選び抜いた言葉で慈しむように奏でられ、長大なドラマを見たような充実感を残す。この演奏を聴いたら、ドビュッシー、ラヴェル、サティに繋がるダンディがなぜ今まで認知されてこなかったのか不思議に思うはずだ。
「フランス独自の音楽を確立しようという愛を感じる」と深貝が語るドビュッシーの『ピアノのために』は、パンチの効いたテクニックと輝かしい音色に満ちている。五音音階などの新しい旋法に加え、バロック懐古のスタイルを取ったこの作品は、確かに音楽史上ひとつの分岐点と言えるだろう。手の内に入った演奏は並々ならぬ意欲を感じさせ、心地よい快感を煽る。

(発売・販売元 提供資料 )

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