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新譜紹介

『レコード芸術』2023年06月号 新譜月評 優秀録音/20世紀傑作選5バルトーク:管弦楽のための協奏曲 組曲「中国の不思議な役人」

20世紀傑作選5バルトーク:管弦楽のための協奏曲 組曲「中国の不思議な役人」

パーヴォ・ヤルヴィ&N響の総決算―――バルトークの2大名作の決定盤。

一時代を画したパーヴォ・ヤルヴィとNHK交響楽団の掉尾を飾ったバルトーク・アルバムが登場。首席指揮者としての最終シーズンに満を持して取り組んだバルトーク・プロをそっくりライヴ・レコーディングしたもので、2019年に発売した「弦・チェレ」「ディヴェルティメント」「舞踏組曲」から成る「三部作」と対をなすアルバムです。
ヤルヴィにとって初録音となる「中国の不思議な役人」は組曲版を使用し、N響のヴィルトゥオジティの高さとヤルヴィの緊密なドライブが相乗効果を生んだ凄演。「管弦楽のための協奏曲」はヤルヴィにとって16年ぶりの再録音ですが、彼がN響首席指揮者就任時に取り上げ、「コンサートベスト10」に選ばれた人気の演目の再演で、このコンビが積み重ねた音楽活動の成果と重みを明確に反映した充実の演奏です。
N響に伝わるドイツ的なサウンドと高い機能性を融合し発展させたヤルヴィの功績が深く刻まれた新しいバルトークの音世界がここにあります。(ソニー・ミュージック)

『レコード芸術』2023年06月号 新譜月評 優秀録音/至福の憧れ~ゲーテ歌曲の現在

至福の憧れ~ゲーテ歌曲の現在
ドイツが生んだ文豪が生涯書き続けた「詩」と
その世界に心を奪われた作曲家たち詩人や劇作家、小説家だけではなく政治家、自然科学者、画家としても才能を発揮したヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749-1832)。その豊かな人生を映し続けた「詩」は、時代を超えて多くの作曲家を魅了している。長年ゲーテ歌曲に取り組んできたリート・デュオが、今もなお愛される彼の詩と歌曲の因果を紐解き、その真髄に迫る。

『レコード芸術』2023年06月号 新譜月評 優秀録音/ヴィヴァルディと同時代のオペラ・アリア集

ヴィヴァルディと同時代のオペラ・アリア集
【アデル・シャルヴェ、躍進!伸縮自在の古楽アンサンブルと聴かせるヴィヴァルディ時代の息吹】
バロック・オペラが歌劇界を沸かせ、古楽に高い適性を持つ歌手たちが広く活躍するフランス。その最前線で躍進を見せるメゾ・ソプラノのアデル・シャルヴェが、同国の新世代を代表するチェンバロ奏者ジュスタン・テイラーとバロック・ヴァイオリン奏者テオティム・ラングロワ・ド・スヴァルトを中心とする才人集団ル・コンソートと共に、待望のソロ名義によるオペラ・アリア集をALPHAレーベルに録音しました。
「赤毛の司祭」ヴィヴァルディが熾烈な競争社会で人気を博した頃のヴェネツィア歌劇界に光をあて、当時の水の都を席捲した人気劇場の一つサンタンジェロ劇場を沸かせた作品の数々をじっくり聴かせます。近年ヴィヴァルディ研究に大きな貢献を果たしている音楽学者で、自身バロック・ヴァイオリンを弾く古楽舞踏の専門家でもあるオリヴィエ・フレ(ライナーノートも担当)の協力のもと、収録作の大半は今回が世界初録音!
ヴィヴァルディはもちろんのこと、後年ドイツやスウェーデンでも重用されたケッレーリ、バッハも憧れたドレスデン宮廷楽団での活躍も知られるリスト―リら、ヴィヴァルディ作品に全く遜色のない音楽を書く作曲家たちがヴェネツィアにひしめいていたことが強く実感できる選曲に驚かされます。いかなる秘曲もこれほど瑞々しく味わえるのは、リート歌手として先に注目を集めたシャルヴェならではの緻密で繊細な表現力もさることながら、柔軟に各作品の機微に触れてゆくル・コンソートの精妙な解釈あればこそ。大型リュートの一種テオルボをチェロと同数(3挺)起用し、数人だけの室内楽的な語らいから精悍なオーケストラ・サウンドまで伸縮自在の編成が、来るべきロココへの一歩を予感させるバロック後期の音楽世界の魅力を余すところなく伝えてやみません。(ナクソス・ジャパン)

『レコード芸術』2023年06月号 新譜月評 優秀録音/東亮汰 IN CONCERT Recorded at Takasaki City Theatre 2022

東亮汰 IN CONCERT Recorded at Takasaki City Theatre 2022 [SACD Hybrid+DVD]<初回限定盤>
リサイタル・録音・映像によって才能溢れる若手演奏家を多角的に紹介する、大友直人が贈る高崎芸術劇場の「T-Shotシリーズ」第九弾。東亮汰は最も若い世代を代表するヴァイオリン界の逸材。ソリストとしてだけでなく室内楽・オーケストラにも活動の場を広げている。高度なテクニックと繊細かつ豊かな音色と鮮やかな音楽作りが魅力的な東亮汰の初ソロCD+DVD。[発売元・(公財)高崎財団](オクタヴィア・レコード)

stereo誌 2023年06月号 今月の変態ソフト選手権!/初春~和楽器が奏でる、おめでたい調べ決定盤~

初春~和楽器が奏でる、おめでたい調べ決定盤~
お正月、慶事には最適の一枚!
上原潤之助、米谷和修、梅屋喜三郎
「初春~和楽器が奏でる、おめでたい調べ決定盤~」三味線、笛、鳴物──和楽器が奏でる、おめでたい調べ決定盤!
見事なアンサンブルが、至福のひとときをお届け致します。純邦楽で、おめでたい時のアルバムと言えば、琴が定番であり、琴をメインに据えたアルバムは数多あります。本作は三味線、笛及び能管、鳴物による演奏であり、また、収録曲にも工夫を凝らし、従来の「おめでたいアルバム」とは違う、新機軸を打ち出した意欲作です。
収録曲は、お正月を始め、慶事に最適な端唄を中心に選曲しました。これぞお正月と言える、笛と、鳴物の囃子から賑やかに始まる「初出見よとて」。笛の音がお正月気分を盛り上げる「獅子は(せんほんかいな)」。清々しいウグイス笛の鳴き声が聞こえる「初音聞かせて」「梅にも春」。今にも獅子舞が出て来そうな「四丁目」「屋台」。本来は歌が入る端唄の曲を、インストにアレンジすることにより、曲そのものが持つ雰囲気を、より明確に際立たせました。
アルバムは、新春に爽やかなひとときを告げる、鶯の鳴き声からスタートし、心晴れ晴れとする、おめでたい楽曲が続きます。思わず「浅草詣り」や、「お伊勢参り」に出掛けたくなります!
長く愛聴して頂ける、おめでたいアルバムの登場です。
なお、ジャケットは、朝日新聞のbeに連載され、話題になった小池真理子氏のエッセイ「月夜の森の梟」の挿絵でも注目された、横山智子氏による、今作のための、書き下ろしオリジナル絵画です。

stereo誌 2023年06月号 今月の変態ソフト選手権!/EQUINOX 21世紀の管弦楽と室内楽作品集

EQUINOX 21世紀の管弦楽と室内楽作品集

「フット・イン・ザ・ドアー (FITD)」はハートフォード大学ハート音楽院の同時代音楽のためのアンサンブル。アンサンブル名はアメリカの実業家アルフレッド・フラーの自伝のタイトルから採られており、「フット・イン・ザ・ドアー=ドアに足を踏み入れる」をモットーにしています。彼らは2015年、レイキャビクで開催された”Dark Music Days Festival”に招待され演奏を披露するなど、国際的に活躍しています。このアルバムに登場する作曲家は全てハート音楽院の卒業生や教授、元教授たちで、どの曲もこのアンサンブルのために書かれたものです。英国のテレビシリーズ”ブラック・ミラー”にインスパイアされたリー・シューインの「The Last Hive Mind」、様々な火の形を探求したというラングストン・ターナーの「Burning Music」、2015年のレイキャビクで演奏されたステーンの「DĔPO FLUX」、2018年に起きたニカラグアの抗議デモに触発されたライオンズの「la flor más linda」、呼吸のプロセスから着想を得たというカールの「Open/Empty」、春の目覚めと新生活を表現した、アルバムタイトルでもあるトゥリンの「Equinox=春分」とどれも独創的な内容を持つ作品が並びます。
【EQUINOX 21世紀の管弦楽と室内楽作品集/トーマス・シュッテンハイム(エレクトリック・ギター), ロバート・H・デイヴィス(ナレーター), アンマリー・デイヴィス(ナレーター), ハート・スクール・フット・イン・ザ・ドアー・アンサンブル, エドワード・カミング(指揮), グレン・アドシット(指揮)/ハイレゾ】

stereo誌 2023年06月号 今月の変態ソフト選手権!/Song Book

Song Book
関西中心に活動するジャズピアニスト安次嶺悟の第三作。これまでに、『For Lovers (2009 年 BLUE LAB RECORDS)』『To Sing From Memory (2017 年 Waon Records)』の2枚の CDをリリース。安次嶺は現在65歳。関西圏のライヴ活動を行う傍ら音楽スクール”Real Music Studio”を運営し後進の指導に当たっている。ジャズギタリストの竹田一彦トリオにサイドメンとして参加し、CDを3枚リリース。又、ボーカルの伴奏者としても定評がある。今回のCDは全 14曲のソロピアノ演奏集。ジャズスタンダード5曲、オリジナル2曲 (実質は1曲で同一曲の別バージョン)、クラシック1曲、シャンソン1曲、ここまではジャズピアニストとしてそれ程珍しいものでは無いが、更にアニメ1曲 (「竈門炭治郎のうた」)、J-POP4曲 (「ひこうき雲」「Too Far Away」「初恋」「根雪」) を採りあげた。 (C)RS

「これならできる特選スピーカーユニット 2022年版マークオーディオ編」

音楽之友社から刊行されている、スピーカー工作のムック本。

「これならできる特選スピーカーユニット 2022年版マークオーディオ編」(7,975円)と、「これならできるスピーカー工作 2022」(8,800円)。

長岡鉄男先生のアシスタントの一人、市川二朗氏が改造に挑戦。

6cmのユニットで100~70Hzもしっかり再生しています。

大成功と言えます。

【レビュー】雑誌付録の工作スピーカーを“魔改造”してみた – AV Watch (impress.co.jp)

fostex RS-2+T500A MKⅢ

stereo誌 2023.05 p-60「ワールドミュージックへの招待」で紹介したfostex RS-2+T500A MKⅢ。

T500A MKⅢをセットして長岡鉄男の外盤A級セレクション「 No.92 カメルーンのオペラ」を試聴。

空間が広がり、虫の鳴き声がより明確になり澄んできました。

打楽器は反応が良くなり、低域も締まるようになりました。

グレードはT500A MKⅢがベスト。

今号の付録の「究極のオーディオチェックCD」も出来が良く、おそらくハイレゾ版の登場もするのでは?

と思います。

今度はスパースワンでチェックしたいと思います。

 

stereo誌 2023.05月号 ステレオディスクコレクション 今月の優秀録音/ファンタジー

ファンタジー

華麗なる技巧と香り高い音楽!実力派クラリネット奏者、田中香織によるファンタジー集!

日本音楽コンクール第1位受賞、ジャック・ランスロ国際コンクール第2位など多くの国内外コンクール受賞歴を持ち、スイス・バーゼルにて研鑽を積んできたクラリネット奏者、田中香織のデビューアルバムです。完璧なテクニックをもとに奏でられる美しいフレージング。多彩に変化する音色の妙。田中香織の高い音楽性が感じられるアルバムとなりました。今回のテーマは「ファンタジー」です。各作曲家によって照らし出される華麗で幻想的なクラリネットの魅力が存分に詰まっています。田中香織の圧倒的な技巧と細部まで統率の行き届いた音楽性をお楽しみ下さい。(ナクソス・ジャパン)

stereo誌 2023.05月号 ステレオディスクコレクション 今月の優秀録音/ヴォーン・ウィリアムズ: 交響曲第7番&第9番

マーティン・ブラビンズのRVW! 第7番&第9番で交響曲全集完結!

マーティン・ブラビンズ&BBC響によるRVWの交響曲全曲録音!
世界で絶賛されてきた注目シリーズが、ついに完結!
掉尾を飾るにふさわしい、第7番(南極交響曲)と第9番を収録!

2003年から2016年まで名古屋フィルの常任指揮者を務め、その後も度々来日公演を成功させ、2016年からはイングリッシュ・ナショナル・オペラの音楽監督という大役を任されているイギリスの名指揮者マーティン・ブラビンズ。1920年版の「ロンドン交響曲(CDA68190)」で話題を呼んだブラビンズとBBC交響楽団のヴォーン・ウィリアムズ・サイクル第6弾は、交響曲第7番(南極交響曲)と交響曲第9番で全集録音の最終巻を締めくくります。作曲者の高齢期に書かれたこの2つの交響曲は、当初は誤解や過小評価をされながらも、どちらも創造的な活力、傑出したオーケストラの色彩、成熟した交響的思考に満ち溢れ、現在ではイギリス音楽、20世紀の交響曲を代表する作品の1つとしての評価が確立してきました。
マーティン・ブラビンズ&BBC響のヴォーン・ウィリアムズ・サイクルは、その堅実な演奏と優れた解釈、そして稀少作品のカップリングなど秀逸な企画によって、第1巻~第3巻まで連続で英グラモフォン誌の「エディターズ・チョイス」に選出され、第4巻は同誌「クリティクス・チョイス」にも選ばれグラモフォン賞2021にノミネートしています。レコード芸術の「海外盤REVIEW」でも度々「今月の特選盤」に選ばれるなど、世界で絶賛されてきた注目シリーズの完結編にご注目ください。(東京エムプラス)

stereo誌 2023.05月号 ステレオディスクコレクション 今月の優秀録音/リサイタル

リサイタル

新しい星の誕生!金川真弓、遂にデビュー!

ドイツ生まれ。2018年ロン=ティボー国際コンクール第2位、翌19年のチャイコフスキー国際コンクール第4位という輝かしい入賞歴で、現在世界から注目を集める金川真弓、待望のデビュー盤。
ドイツのバロックと古典派の名品の間に、表情ゆたかな武満とドビュッシーを挟むという、王道のプログラム。
耳目を集めるようなバッハから最後のクロイツェルまで、全体を大きな弧で描きながら呼吸し躍動する音楽。
長年のコンビ俊英グァレーラのピアノを得て、金川はストラドの名器から、圧倒的なテクニックと自在な感性を流麗に披歴。光輝く新星登場を、どうぞお聴きください。

金川 真弓(ヴァイオリン)
2019年チャイコフスキー国際コンクール第4位、2018年ロン=ティボー国際音楽コンクール第2位入賞&最優秀協奏曲賞を受賞。
これまでに、プラハ放送響、マリインスキー劇場管、ドイツ・カンマーフィル、フィンランド放送響、ベルギー国立管、フランス国立ロワール管、モスクワ・フィル等と、日本では、N響、読響、都響、京響、名古屋フィル、大阪フィル等に客演し世界的指揮者と共演している。
2022年にはベルリン・コンツェルトハウス管やロイヤル・フィルへデビューした。また、トランス=シベリア芸術祭、ヴェルビエ音楽祭、PMF音楽祭等に出演している。
ドイツ生まれ。4歳から日本でヴァイオリンを始め、その後ニューヨーク、ロサンゼルスを経て、現在ベルリンを拠点に活動。
ハンス・アイスラー音楽大学でコリヤ・ブラッハーに師事。使用楽器は、日本音楽財団貸与のストラディヴァリウス「ウィルへルミ」(1725年製)
(オクタヴィア・レコード)

stereo誌 2023.05月号 ステレオディスクコレクション 今月の優秀録音/シューベルト: ピアノ・ソナタ集

シューベルト: ピアノ・ソナタ集
シューベルト・ソナタ集、ついに完結!
ポール・ルイス、さらなる高みへ2001年にはじまったポール・ルイスのシューベルト・ソナタ集録音、ついに完結編の登場です。ポール・ルイスはこの20年の間、シューベルトの演奏会シリーズで純度の高いシューベルトで世界中をうならせ、さらにベートーヴェンのソナタや協奏曲全集で他の追随をゆるさない高次元の演奏を展開してきました。
久々となるシューベルトのソナタ録音となる当盤でも、ポール・ルイスは一切の過剰な表現を排し、シューベルトとの魂の対話を高精細な音色で聴かせてくれます。
イ長調のソナタはピアノ学習者がしばしば演奏しますが、ポール・ルイスの演奏は明るい音色で自然な歌に満ちていながら、1ミリも隙がない均衡のとれた美しさです。ポール・ルイスがさらなる高みへと上っていることが感じられるシューベルトです。(キングインターナショナル)

stereo誌 2023.05月号 ステレオディスクコレクション 今月の優秀録音/「私的な旅」

「私的な旅」

ピオーとカドゥシュの新生デュオが誘う、歌で紡ぐ旅

初めて行ったデュオでのリサイタルを成功させたサンドリーヌ・ピオーとダヴィッド・カドゥシュによる、待望のアルバムが登場。新たな出会いの喜びとそこから見えるもの、憧れの地への旅、到達できない場所への探求といったものを出発点として、様々な作曲家と詩人たちによる言葉の交差を楽しむというのがテーマとなっており、結果的には有名作を多く含むドイツ語圏とフランスの作品を収めた内容となっています。どの作品でも詩情を奥深く表現するピオーの特性が生きており、「魔王」での切迫した表情も歌姫の貫禄十分。フランスを中心にソリストとして活躍めざましいカドゥシュのピアノも、これにそっと寄り添う素晴らしいサポートを聴かせてます。

国内仕様盤
日本語解説…相場ひろ
歌詞日本語訳…山下賢司(ナクソス・ジャパン)

stereo誌 2023.05月号 ステレオディスクコレクション 今月の優秀録音/アルティッシマ~ハイ・バロック時代のトランペット作品集

アルティッシマ~ハイ・バロック時代のトランペット作品集

北米の人気バロック・トランペット奏者! シャンドス・デビュー盤!

北米の名バロック・トランペット奏者、ジョシュ・コーエンのChandosファースト・ソロアルバム!
バロック・トランペットが最も輝きを示したハイ・バロック時代の作品集!

ワシントンD.C.出身のバロック・トランペット奏者、ジョシュ・コーエンのChandosデビュー盤。コーエンは、ターフェルムジーク・バロック管弦楽団、ワシントン・バッハ・コンソート、モントリオール古楽スタジオ、アポロズ・ファイアなど、北米の古楽器アンサンブルや古楽器オーケストラの首席奏者やソリストとして共演するなど、北米で最も人気のあるクラリーノ(トランペット)奏者のひとりとして活躍しています。
これまでにアンサンブル・カプリスとの共演で、高い演奏技術を要するブランデンブルク協奏曲の録音を残しているコーエン。Chandosデビューを飾る本アルバムでは、17世紀後半から18世紀半ばにかけて作曲されたバロック・トランペットのための幅広いレパートリーを取り上げています。現在のバルブやピストンが開発される遥か以前、1500年代から使用されるようになったとされるバロック・トランペットは、モダン・トランペットが誕生する1800年代後期にかけて、宗教作品、オーケストラ作品、独奏作品と多岐にわたり用いられました。バルブ機構が存在しないため、倍音以外の音を出すための唇の絶妙なコントロールなど、より高い演奏技術が求められるこの楽器を、現代のヴィルトゥオーゾの妙技で華々しく奏でます。
(東京エムプラス)

『レコード芸術』2023年05月号 新譜月評 優秀録音/ショスタコーヴィチ: 交響曲第12番&第15番

ショスタコーヴィチ: 交響曲第12番&第15番
ショスタコーヴィチ最後の交響曲!
フィンランドの秀英、ストゥールゴールズ!手兵BBCフィルハーモニックとの渾身のショスタコーヴィチ!
随所で見せる圧倒的な統率力で作品の細部まで描きます!

2008年から2015年までヘルシンキ・フィルの首席指揮者を担い、その他にもラップランド室内管弦楽団の芸術監督を務め、現在はBBCフィルハーモニックとカナダ・ナショナル・アーツ・センター管弦楽団の首席客演指揮者を務めているフィンランドを代表するマエストロ、ヨン・ストゥールゴールズ(ヨーン・ストルゴーズ)。
2014年~2015年に発売された「シベリウス:交響曲全集(CHAN 10809)」と「ニールセン:交響曲全集(CHAN 10859)」、2つの「生誕150周年記念盤」の世界的ヒットによって一躍脚光を浴び、その後ジョージ・アンタイルの管弦楽作品集(CHAN 10941、CHAN 10982、CHAN 20080)でその秀でた実力を見せつけてくれました。
また直近では2023年1月に東京都交響楽団との来日公演を行い好評を博しています。

2020年に発売され、レコード芸術特選盤&優秀録音、英グラモフォン誌「Critics’ Choice」と高く評価されたショスタコーヴィチの「交響曲第11番」(RCHSA 5278/CHSA 5278)に続き、十月革命を描いた「第12番」と最後の交響曲となった「第15番」のリリースです。
随所で見せる緻密なテンポ設定によってきっちりとコントロールされた前作、今作でも期待が高まります。(東京エムプラス)

『レコード芸術』2023年05月号 新譜月評 優秀録音/モーツァルト: 弦楽五重奏曲第3番&第4番

モーツァルト: 弦楽五重奏曲第3番&第4番

エベーヌ弦楽四重奏団にアントワン・タメスティが加わり、心に響く暖かさ、各楽器との対話により、新鮮で魅惑的な演奏を披露。

ここに収められたモーツァルトの弦楽五重奏曲の2曲は、1787年にペアとして作曲されましたが、対照的な性格を持っており、交響曲第40番と第41番とのように擬せられ、随所に流れる美しい旋律は、モーツァルトの数ある作品の中でも、もっとも深い憂いをたたえたものに数えられています。この弦楽五重奏曲は弦楽四重奏にヴィオラが追加されたもので、音の絡み合いが複雑であり弦楽四重奏の響きの純度に比べると、中音部のバランスが重要視されます。エベーヌ四重奏団の瑞々しく新鮮に、何よりも生き生きと蘇った見事なバランスによる透明な響き、しなやかな歌のあふれた緊密なアンサンブル。そして世界で最も偉大なヴィオリストと称され、比類のないテクニックと深い芸術性をもつ音楽家であることに加え、美しく、豊で深みのある、磨きぬかれた質の高い音色で知られるヴィオラ奏者のアントワン・タメスティが加わり、心に響く暖かさ、各楽器との対話により、何とも新鮮で魅惑的な演奏を披露しています。常に時代に合った新鮮味を加え、作品の深奥に迫っていく鋭敏な感性には脱帽です。

ワーナーミュージック・ジャパン取り扱い輸入盤のみ、日本語解説書・帯付き(ワーナーミュージック・ジャパン)

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『レコード芸術』2023年05月号 新譜月評 優秀録音/ファンタジー

ファンタジー

華麗なる技巧と香り高い音楽!実力派クラリネット奏者、田中香織によるファンタジー集!

日本音楽コンクール第1位受賞、ジャック・ランスロ国際コンクール第2位など多くの国内外コンクール受賞歴を持ち、スイス・バーゼルにて研鑽を積んできたクラリネット奏者、田中香織のデビューアルバムです。完璧なテクニックをもとに奏でられる美しいフレージング。多彩に変化する音色の妙。田中香織の高い音楽性が感じられるアルバムとなりました。今回のテーマは「ファンタジー」です。各作曲家によって照らし出される華麗で幻想的なクラリネットの魅力が存分に詰まっています。田中香織の圧倒的な技巧と細部まで統率の行き届いた音楽性をお楽しみ下さい。(ナクソス・ジャパン)