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『レコード芸術』2023年05月号 新譜月評 優秀録音/モーツァルト: 弦楽五重奏曲第3番&第4番

『レコード芸術』2023年05月号 新譜月評 優秀録音/モーツァルト: 弦楽五重奏曲第3番&第4番

モーツァルト: 弦楽五重奏曲第3番&第4番

エベーヌ弦楽四重奏団にアントワン・タメスティが加わり、心に響く暖かさ、各楽器との対話により、新鮮で魅惑的な演奏を披露。

ここに収められたモーツァルトの弦楽五重奏曲の2曲は、1787年にペアとして作曲されましたが、対照的な性格を持っており、交響曲第40番と第41番とのように擬せられ、随所に流れる美しい旋律は、モーツァルトの数ある作品の中でも、もっとも深い憂いをたたえたものに数えられています。この弦楽五重奏曲は弦楽四重奏にヴィオラが追加されたもので、音の絡み合いが複雑であり弦楽四重奏の響きの純度に比べると、中音部のバランスが重要視されます。エベーヌ四重奏団の瑞々しく新鮮に、何よりも生き生きと蘇った見事なバランスによる透明な響き、しなやかな歌のあふれた緊密なアンサンブル。そして世界で最も偉大なヴィオリストと称され、比類のないテクニックと深い芸術性をもつ音楽家であることに加え、美しく、豊で深みのある、磨きぬかれた質の高い音色で知られるヴィオラ奏者のアントワン・タメスティが加わり、心に響く暖かさ、各楽器との対話により、何とも新鮮で魅惑的な演奏を披露しています。常に時代に合った新鮮味を加え、作品の深奥に迫っていく鋭敏な感性には脱帽です。

ワーナーミュージック・ジャパン取り扱い輸入盤のみ、日本語解説書・帯付き(ワーナーミュージック・ジャパン)

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