MYUtakasaki

kk
『レコード芸術』2023年02月号 新譜月評 優秀録音/ビーバー: ロザリオ・ソナタ

『レコード芸術』2023年02月号 新譜月評 優秀録音/ビーバー: ロザリオ・ソナタ

ビーバー: ロザリオ・ソナタ
スコルダトゥーラを極めた一大演奏
考え抜かれた構築と煌めくファンタジー
ケルンの名手・平崎真弓の「ロザリオ」!ケルン在住、コンチェルト・ケルンのコンミスを務めるなど数々の名門古楽オケで演奏し、ソロでも意欲的な活動を続けるヴァイオリニスト平崎真弓。前作アルバム『スコルダトゥーラ(変則調弦)の技法』(PAS-1080/KKC-6314)が「レコード芸術」誌で特選盤になるなど国内でも高い評価を受け、一躍スコルダトゥーラのスペシャリストと目されています。そんな彼女にスコルダトゥーラの可能性をとことん掘り下げて書かれた『ロザリオ・ソナタ』はまさにうってつけ、待ってましたと叫びたくなる好企画の登場です。
この一種異様な、技巧的にも楽器的にも扱いづらい演奏者泣かせの曲集に対して、平崎は複数のヴァイオリンを使用。各ソナタとの相性を吟味しながらしっかりと納得のいく全体を組み立てていきます。無数の調弦が織り成す緊張度と色彩、豊かな音楽性が、揺るぎない土台と煌めくファンタジーによって鮮烈かつ華麗に鳴り響く、考え抜かれた本格演奏。ソロの素晴らしさはもちろんのこと、共演陣もショルンスハイムはじめ腕に覚えありの名人ぞろいで、ハイレベルなアンサンブルにも注目です。(キングインターナショナル)

« »