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『レコード芸術』2023年02月号 新譜月評 優秀録音/リスト: 超絶技巧練習曲集

『レコード芸術』2023年02月号 新譜月評 優秀録音/リスト: 超絶技巧練習曲集

リスト: 超絶技巧練習曲集
2021年リーズ国際ピアノ・コンクール優勝者、アリム・ベイセンバエフがワーナー・クラシックスからアルバム・デビュー!
この圧倒的なパワーとテクニックだけでなく繊細な表現も絶品!ワーナーミュージック・ジャパン取り扱い輸入盤のみ日本語解説書付
日本語解説には、真嶋雄大 氏による書き下ろし解説を掲載

ピアニストの登竜門として世界的に知られる2021年度リーズ国際ピアノ・コンクール金賞受賞者のアリム・ベイセンバエフは、1998年生まれ。5歳よりピアノをはじめ、2008年にモスクワ中央音楽学校に入学。2年後に英国のパーセル・スクールに入学しテッサ・ニコルソンに師事。2015年ヴァン・クライバーン・ジュニア国際で優勝。2016年には英国王立音楽院に入学し引き続きテッサ・ニコルソンに学び、2016年にウィグモアホールにデビュー。現在は王立音楽大学でヴァネッサ・ラターシュおよびドミトリー・アレクセーエフに学んでいます。

このデビュー盤として、「リスト:超絶技巧練習曲集」という意欲的な作品を録音。アリム・ベイゼンバエフは、写真や動画で見る限り強力な打鍵で華やかな演奏をするピアニストに感じられ、このリストの超絶技巧練習曲の冒頭、期待に違わぬ煌めくような音色が炸裂。悪魔的呪縛を伴う力強い音はまさに思った通り…と納得したのもつかの間、第2曲目の迫力ある打撃と繊細なトレモロのコントラストに驚くことでしょう。そして更に驚くべきは第3曲目。Poco Adagioのゆったりとした美しい旋律を心行くまで歌わせるベイゼンバエフの多彩な表現力には舌を巻くばかり。第9曲目の「回想」や演奏会用練習曲の第2曲「軽やかさ」ではタイトル通りの、重力を無視したかのような軽やかなタッチを披露。決して力で押すのではなく、あくまでもピアノと会話している…そんな若きピアニストのリストです。

その演奏の洗練さと成熟度において、すでに多くの批評家から絶賛されています。「超絶技巧練習曲集は、最も困難なピアノ作品のひとつです。幼い頃から、シフラ、リヒテル、キーシンのような伝説的なピアニストがこれらの作品を演奏することに刺激を受けていましたが、いつか自分が演奏する日が来るとは夢にも思っていませんでした。しかし、多くの若いピアニストがそうであるように、私にとっての挑戦は魅力的なもの」と語っています。(ワーナーミュージック・ジャパン)

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