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stereo誌 2022.12月号 ステレオディスクコレクション 今月の優秀録音/ストラヴィンスキー: 火の鳥、ミューズを率いるアポロ

stereo誌 2022.12月号 ステレオディスクコレクション 今月の優秀録音/ストラヴィンスキー: 火の鳥、ミューズを率いるアポロ

ストラヴィンスキー: 火の鳥、ミューズを率いるアポロ
ルクセンブルク・フィルの透明な響きが冴える
ヒメノが作品の美しさを見事に引きだしたストラヴィンスキー2作ヒメノとルクセンブルク・フィルによるストラヴィンスキーの登場。すでにこのコンビには、「春の祭典」「カルタ遊び」「アゴン」を収めたストラヴィンスキーのアルバム(PTC-5186650/KKC-6011)があり、高く評価されただけにこちらもまた注目のリリースといえましょう。
プログラムは≪火の鳥≫と≪ミューズを率いるアポロ≫。1910年から、ディアギレフの死の年1929年までの間に、バレエ・リュスは、ストラヴィンスキーの音楽によるバレエ作品を12作上演しましたが、その第1作が≪火の鳥≫そして最後が≪ミューズを率いるアポロ≫でした(もともとは≪ミューズ≫は他の目的で作曲され、のちにバレエ・リュスでも用いられた)。≪火の鳥≫のポストロマン派的な幻惑的な世界では、ヒメノはオーケストラをミステリアスにならしています。
≪ミューズを率いるアポロ≫(1928)では、新古典主義的なエレガンス全開。「ミューズ」のストーリーは、様式美と理想的な美の象徴であるアポロが誕生するところから、アポロが成長し、ミューズたちの先頭に立ってパルナッソスに入城する、といったシンプルなものながら、ヴァイオリン・ソロが活躍する楽曲もあったり、音楽的にはたのしめるものです。ヒメノは、オーケストラを室内楽的かつ自由に響かせています。ヒメノとオーケストラの間のあつき信頼関係が感じられる演奏となっております。(キングインターナショナル)

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