stereo誌 2023年02月号 今月の変態ソフト選手権!/A Soul to Claim



自然と静けさから生み出される破格のパワーに満ちた音楽
丹後の宮津出身のピアニスト、田中綾による、ヤナーチェク、バルトーク、平野一郎作品集。タイトルの「ピアノフォルテ」はフォルテおよびピアノの表現であり、グリーンとは、ハンガリーや現在彼女が移住している滋賀県蒲生群の農村の景色。田中はコダーイ音楽研究所に留学していた経歴を持ち、また、とくに歌(合唱)との共演も多く、彼女が奏でるピアノはオーケストラのような音響と音色で鳴り響きながら、人の声のように様々な情動を聴き手によびおこさせる、濃厚なもの。
演奏会のとき、ステージ袖から登場するのではなく、どこからともなく裸足で現れ、今その瞬間に生まれたように音楽を奏でていきます。精巧に調律されたピアノで、1ミリの狂いもないタッチで、作曲者たちが音符に込めた色や風景、作曲家の心情までをも浮かび上がらせていきます。その音色をCDにするために、今回384kHz 24bitによる編集が行われました。ホールの空気から、音符ひとつひとつから立ち上る様々な香りや風景、そして作曲家たちの声がなまめかしく聴きとれる、究極の2枚組となっています。
(ブックレットより抜粋)ヤナーチェク、バルトーク、平野一郎という作曲家たちは、それぞれ生まれた場所も年代も異なりますが、古くから伝わる文化が危機にさらされる難しい時代の中で、自分たちの真の音楽を探求しているというところで繋がっています。小さな村の歌や踊りを深く研究するうちに、それぞれに独自の作曲語法を生み出し、命がけで守らなければ永遠に忘れ去られてしまうあらゆる声を、楽譜に刻んでいきました。彼らの楽譜を開くと、草原や海辺の原風景とそこに暮らす人々、ひそんでいる小さな生きもの、そしてもっと前からそこにいたであろう、目に見えないものたちが飛び出してきます。暗闇に消えかけていたかすかな灯りが、蛍の光のようにぽつぽつと点り、皆さんの心にひろがっていきますように。―田中綾ー
(1/2)(キングインターナショナル)


マイルス・デイヴィス 1960年発売『Sketches of Spain』をモービル・フィデリティ社の究極のアナログ盤規格「ULTRADISC ONE-STEP」×「MoFi SuperVinyl」で復刻。
1960年作品。スペインをモチーフにギルとマイルスのコラボレーションが作り上げた音世界の傑作。作曲家ホアキン・ロドリーゴがクラシック・ギターのために書いた「アランフェス協奏曲」は、このアルバムで演奏されたことによって幅広いリスナーやミュージシャンに広まった。ドラマティックなメロディ、そして哀愁と熱情に満ちたオーケストラ・サウンド。
「ULTRADISC ONE-STEP」(UD1S)シリーズ
独自のテクノロジーとマスタリング技術、そして贅沢な時間を駆使し、マスター・テープのデータを限界まで引き出したハイ・クオリティな復刻盤により世界中のオーディオファンから高い評価を得ているモービル・フィデリティ・サウンド・ラボ社より、究極のアナログ盤規格「ULTRADISCONE-STEP」(UD1S)シリーズが登場。標準的なアナログ盤の生産工程である、ラッカー盤から完成品までの「スリー・ステップ・プロセス」から2工程を省き、あくまで音質を重視した「ワン・ステップ・プロセス」を実現。生産工程で発生するノイズを最小限に抑え、音のディテールの再現性とダイナミクスを大幅に向上させている。「音楽は可能な限り原音に忠実に再現されなければならない。」という、モービル・フィデリティ社設立以来の基本ポリシーを文字通り実現した、究極のアナログ盤規格である。
「MoFi SuperVinyl」
MoFi SuperVinylは、アメリカ・カリフォルニア州のNEOTECH社とRTI社の共同開発により新たに生み出された独自のアナログ盤素材。新たに開発されたカーボンレス染料(半透明)により、オリジナルのラッカー盤と区別がつかない、より精密な溝の製造を可能にし、マスタリング・スタジオのサウンドに限りなく近い音質を再現する。(発売・販売元 提供資料)

リファレンススピーカーは、FE108SS-HPのスーパースワンを使用してます。
FE108-solのスーパースワンを試聴する機会がありました。
低域の量感と厚みはFE108SS-HPがあり、反応の良さときれはFE108-solの方があります。
今回、FOSTEXのホーンツィーターを載せた場合、どの位変化するか試してみたかったので
T96A-SAを載せて試聴(0.47㎌逆相)。音場の広がりと低域の締まりが出ました。
悪乗りして、重石替わりにT500A MKⅢ(0.22㎌逆相)で試聴。
T96A-SAに比べ音の品位が違う。反応が良いユニットだけに違いは明確に表れ、倍音域の表現力
(弦の艶)、クリアなヴォーカル、音場の広がり。今までに聴いたことのないスーパースワン。
FE108SS-HPに載せて聴いてみたいが、この様な聴き方をするのは私しかいないかも?
ユニットより10倍近く価格差のあるホーンツィーター、まさに変態。
聴かなければよかった。

[グラスハーモニカ]
1743年、アイルランド人のパッカリッジが水を入れた脚付きグラスの縁をこすって音を出し演奏することを思いつきます。その後1761年にグラスハーモニカは楽器として完成をみます。20~54個(37が標準サイズ)のグラス(器)が棒に、互いに接触しないようにはめあわされ、器の直径によって音高が決まります。奏者は濡れた指でグラスの縁をこすって演奏します。この楽器は、この音色が動物を怖がらせる、あるいは屈強な男が1時間で倒れる、演奏者を発狂させる(当時の原料の40%が鉛ガラス)といった理由で、ドイツのいくつかの都市で禁止され、1835年に姿を消すこととなります。が、パガニーニはこの楽器を「天使のオルガン」と呼び、モーツァルトのほかにもベートーヴェン、ドニゼッティ、R.シュトラウスらもこの楽器のために作品を書きました。ここで演奏されている楽器はガラス工芸の巨匠ゲルハルト・フィンケンバイナーによるもので20世紀後半に製造されました。演奏しているトーマス・ブロッホは、数少ないプロ奏者として活躍する人物です。
[スクエア・オルガン]
ピアノ=オルガンとも呼ばれ、オルガンとピアノの機能をあわせもつ楽器。オルガンとして、ピアノとして、あるいはオルガンとピアノの両方の機構を同時に鳴らすこともできる楽器です。(キングインターナショナル)

ヴァイオリンと合唱版 ローリゼンの「おお、大いなる神秘」!
独自の音楽世界を突き進むアン・アキコ・マイヤース最新盤!
ローリゼンの傑作「おお、大いなる神秘」の新ヴァージョン!
そしてバッハの3つの人気曲をカップリングしたミニ・アルバム!
40枚目のアルバム「シャイニング・ナイト」がレコード芸術「特選盤」に選ばれるなど、独自の音楽世界を華麗に突き進んでいるアメリカのスーパースター・ヴァイオリニスト、アン・アキコ・マイヤースのAvie最新盤。ロサンゼルス・マスター・コラール、指揮者グラント・ガーション、作曲家モーテン・ローリゼン(モートン・ローリゼン)とともに、ローリゼンの合唱曲の傑作「おお、大いなる神秘(オー・マニュム・ミステリウム)」新ヴァージョン(ヴァイオリンと合唱版)を製作! そして、バッハの3つの人気曲「主よ、人の望みの喜びよ」、「羊は安らかに草を食み」、「目覚めよと呼ぶ声あり」のヴァイオリンと合唱版(いずれも世界初録音となるニュー・アレンジ)の計4曲をカップリングしたミニ・アルバムが登場。神秘的でどこまでも美しく、心洗われるローリゼンとバッハの響きをご堪能ください。
ドイツ系アメリカ人の父親と日本人の母親の間に生まれたアン・アキコ・マイヤースは、11歳でロサンゼルス・フィルと共演し以降世界中のトップ・オーケストラと共演。複数のアルバムが米ビルボードのクラシカル・チャートで第1位に輝き、2014年にはビルボードのもっとも売れているクラシック器楽奏者にも選ばれています。(東京エムプラス)

ベルリン古楽アカデミーのブランデンブルク協奏曲!これだけでも心躍るのに、なんとイザベル・ファウストとアントワン・タメスティという世界的名手がゲストに登場しているという、前代未聞のスケールの録音の登場です。ベルリン古楽アカデミーは1998年にブランデンブルク協奏曲を録音(HMM 931634)、以降幾度となく演奏会でも取り上げており、まさにかれらの手中に完全に収められたもの。自由自在、余裕たっぷりにあそびのあるアンサンブルが展開されております。また、ファウストとはバッハのヴァイオリン協奏曲集(KKC 6219/ HMM 902335)で素晴らしい録音を成し遂げ、タメスティともテレマンの協奏曲プロジェクトでお互いをよく知り尽くした上でのレコーディングとなっております。
ファウスト、タメスティ両名が参加している第3番では終楽章の目もくらむようなスピード感で展開されるパッセージが圧巻!ファウストが参加している第4番はリコーダーが活躍する楽曲ですが、ファウストの攻めに攻めた、典雅で超絶技巧のパッセージもまた聴きもの。第6番はヴァイオリンが含まれない少し珍しい編成の作品ですが、ヴィオラのタメスティの存在感が際立っています。ほかにもアルパーマンの雄弁すぎるチェンバロや、管楽器の面々のうまさ!語りつくせぬ聴きどころの連続ですが、まるで6曲全体がひとつの大きな組曲であるように感じるくらい、ひといきに聴いてしまいます。作品当時の奏者たちも高い技巧の持ち主だったことは夙に知られるところですが、あらためてその史実に驚きとともに思いをはせると同時に、当時の演奏の現場の熱気と活気、そして聴衆たちの興奮までもが再現されているよう。即興感と心地よい疾走感に満ちた、尋常ならざる熱気とエネルギーと気魄にみなぎった演奏です。
(キングインターナショナル)

<div>