衝動的な歌~ベンヤミン・ショイアー: 作品集
ヴァネッサ・ポーター (Classical) 、ニコライ・ローゼンバーグ
真剣で、奇妙な、おかしみ
ベンヤミン・ショイアーの作品は、エンターテインメントと結びついた新しい音楽。表面的にはユーモラスかつクレイジーなサウンドと遊び心たっぷりのアイデアで人々を驚かせつつ、その裏で、しばしば様々なミニチュアを組み合わせるような、非常に緻密で複雑な作曲法を駆使しています。
「気まぐれなサウンド、ずれたボーカル、奇妙なジェスチャーを好むのは、もちろん野性的なユーモアのセンスの証拠だが、同時に不滅の音楽性と、そう、真剣さを示している」(ブックレット解説より)
アルバムのタイトルにもなっている歌曲集『衝動的な歌』では、ショイアーはそれぞれの曲の中にあるアイデア、特定の音、あるいはそのプロセスを照らし出し、それらを解剖し、誇張します。同時にとても単純な電子的手段を用いることで、作品にローファイの美学を与え、聴き手を惑わせます。2つのソロ作品はオーディオとビデオの両方で鑑賞することができます。打楽器独奏の『おはなし機械』では伝統的な楽器だけでなく、ゴムの豚、カズー、パーティーホーンなども登場。ピアニストが狂気の笑いを上げる『お笑い療法』ともども、彼の作曲の焦点は「人」と「その声」であることが分かります。(WERGO)


