アイヴズ: 室内オーケストラのためのセット全集
保険会社で働きながら作曲を続けたため、日曜作曲家とも呼ばれるアイヴズ。管弦楽作品が広く知られる彼ですが歌曲も多く残しており、1915年から1930年代中盤にかけて、これらの歌曲を数曲ずつ集めて、数人から20人に満たないような室内オーケストラ(コネティカットやニューヨークの小劇場のオーケストラ)が歌無しで演奏するために編曲した「セット」を組みました。これらに含まれる曲はいずれも1分未満から長くても3分程度というごく短いもので、アイヴズらしいウィットに富んだ曲想が次々と現れ、たいへん愛着の湧く作品となっています。さらに演奏する楽団の編成や掛け持ち楽器などの事情に合わせ、楽器の選択がフレキシブルに変更できるよう注意書きなどが添えられているほか、状況によってさらなる楽器の置き換えがありうることも想定して構成されました。演奏はアイヴズの研究家として知られるジェイムズ・シンクレアの指揮するオーケストラ・ニュー・イングランド。曲ごとに最適な編成が組まれ、作品への深い理解と愛情に裏打ちされた素晴らしい演奏を聴かせています。第10番までのセットと「劇場オーケストラのためのセット」を含む全曲録音は、今回が初めてという貴重なものです。
(ナクソス・ジャパン)
(ナクソス・ジャパン)