バッハの作品を現代ピアノで演奏することに於いて、ピアノという「楽器」を知り尽くしたブゾーニの編曲の手法やピアニスティックな響きへの置き換えなどその叡智を知ることは、バッハ作品自体の素晴らしさを深め開眼させてくれます。バッハ《ゴルトベルク変奏曲》のブゾーニ編曲版は、多くが20変奏前後に省略した「コンサート版」だったり、楽譜の細かなところまで精査し演奏したものが皆無だったりします。今回、塚谷水無子は、ブゾーニ楽譜の細部、書き換えた音符の意味を探り、Ossia(簡略譜ではなく、むしろ出来ればこうして弾いて欲しいんだが…)の指示や演奏至難過ぎて別書きにしたNB譜など徹底的に読み砕き拾い上げて、「ブゾーニ・ゴルトベルクのMAX」で演奏し収録しています。バロックの響きを現代ピアノでどう響かせるか?に腐心したブゾーニの楽譜を紐解き忠実に演奏することで、改めてバッハ・オリジナルの《ゴルトベルク変奏曲》へ立ち返っていきます。また名曲「われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」BWV 639、「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」BWV 659も収録しております。録音は今回もオーディオ誌でお馴染みの生形三郎氏が手掛けています。(キングインターナショナル )
J.S. バッハ(ブゾーニ編曲): ゴルトベルク変奏曲 BWV988 /塚谷水無子【CD】
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