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レコード芸術誌 新譜月評 優秀録音/ドビュッシー: 歌劇「ペレアスとメリザンド」

レコード芸術誌 新譜月評 優秀録音/ドビュッシー: 歌劇「ペレアスとメリザンド」

ドビュッシー: 歌劇「ペレアスとメリザンド」
フランソワ=グザヴィエ・ロト 、 レ・シエクル管弦楽団 、 ヴァンニーナ・サントーニ 、 ユリエン・ベーア (Tenor)

あの「春の祭典」以上の衝撃!
ロトとレ・シエクルがドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」にピリオド楽器で挑戦!!

おそらくほとんど誰も考えなかったドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」のピリオド楽器による録音が登場します。それもロトとレ・シエクルという最高の演
奏陣で、ストラヴィンスキーの「春の祭典」のディスク発表時以上の衝撃と申せましょう。
「ペレアスとメリザンド」の声楽パートはフランス語の抑揚による朗誦に終始しますが、1987年生まれのソプラノ、ヴァンニーナ・サントーニのメリザンド役をはじめ母国語歌手で固め、自然で美しさ満点。ことにゴロー役のバリトン、アレクサンドル・デュアメルの名演が光ります。
さらに注目なのがロトとレ・シエクルの作り上げるオーケストラ・サウンド。奇を衒わずあくまでシンプル、室内楽的とさえ言えるドビュッシーの精妙なオーケストレーションを実現。弦楽器以外はすべて1900年前後のフランス製(ブックレットに詳細記載)を用い、明るく透明な音色、ガット弦を用いた弦楽器が無限な柔らかさを醸しているのも魅力。基本的にノン・ヴィブラートなため日本の雅楽のような音響さえ創り出しています。ロトによれば地下のシーンでドビュッシーがトロンボーンを用いた理由が、コントラバスの弦と共鳴して不思議な色合いを出そうとしているのも、この演奏で初めて実感できるとのこと。
昨今日本でも「ペレアスとメリザンド」が注目されている感がありますが、その本家本元による真打として世界中の関心を集めること間違いなし。まさに初めて曲の美しさ、凄さを実感できます。
コロナ禍の2021年3月に配信用に行われた無観客上演をもとに編集。ハルモニア・ムンディならではの高音質録音も光ります。2022年初端から大新譜のリリースとなります。
(キングインターナショナル)

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